子どもの発達障害の見分け方とは?気になる症状や治療方法はあるの?

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夜泣きが治まらない、かんしゃく持ち、表情が乏しい…などなど、子どもの言動に振り回されて身も心もすっかり疲弊してしまう親御さんも多いことでしょう。
「育てにくい子どもだ」とイライラしてしまうと同時に、「もしかしてこの子は発達障害なんじゃないか?」という思いがふと、よぎることもあるのではないでしょうか。

「障害」の2文字を意識してしまったら、何だかいてもたってもいられなくなってしまうものでしょうか。

「この子がこんなに育てにくいのは何故ですか?」
「発達障害じゃないんですか?」
「私のせいなの??」
「治るんですか?だとすればこれからどうしたらいいんですか?」

…などなど、私も在職時にこのような質問をたくさん受けたものでした。
中には、「保育園での教育方法が悪いんじゃないの?」というような、あわやモンスターペアレントともなりかねない発想をされる親御さんもいらしたほど…!
私ども保育士が返答に困ってしまったのは、言うまでもありません(^^;
(この件に関しては、機会があれば、また別でゆっくりとお話しさせていただくこととします…。)

そうでなくとも、色んな思いをめぐらせながら闇雲に調べてみて、その情報に一喜一憂している方が多いな…というふうに見受けられました。
その情報源に踊らされないように、まずは落ち着いて、発達障害はどのようなものかを確認していきましょう。

発達障害とは?

一言で「発達障害」と言っても、複数の種類や定義があります。
多方面で活躍する教育学者や心理学者らによって様々なことが提唱・定義されていますが、文部科学省の定義が基本となるでしょう。

文部科学省では、主な発達障害の定義として、自閉症・高機能自閉症・学習障害(LD)・注意欠陥多動性障害(ADHD)の4つに関して述べています。

その定義によれば、自閉症・高機能自閉症はともに3歳くらいまでに現れ、他人との社会的関係を形成しにくい・ことばの遅れ・こだわりが強いといった傾向が見られるとのこと。
学習障害は、知的発達の遅れは無いものの特定のものの習得と使用が非常に困難である状態。
注意欠陥多動性障害は、7歳以前に現れ、年齢や発達に相応でない注意力や衝動性・多動性を特徴とする行動で、社会的な活動や学業に支障をきたすものとされています。

また、広汎性発達障害(PDD)と呼ばれるものは、コミュニケーションと社会性が十分でない言動があることを特徴としているものです。
自閉症など5つの障害が含まれていますが、よく言われるアスペルガーも広汎性発達障害の1つであり、症状が似ていることから、しばしば高機能自閉症と同様に扱われます。

アスペルガー症候群とは、知的発達の遅れを伴わず、かつ、自閉症の特徴のうち言葉の発達の遅れを伴わないものである。なお、高機能自閉症やアスペルガー症候群は、広汎性発達障害に分類されるものである。

程度により差はあるものの、いずれも乳幼児期から幼児期にかけて発現することから、親御さんが気づかずとも保育園・幼稚園で指摘されるという場合も少なからずあるようです。

発達障害の原因は?

脳と脊髄を合わせた中枢神経系に何らかの障害があることが原因とされています。
それは、遺伝などの先天性のものである場合もあれば、極めて幼いころに生じた疾患の後遺症という場合もあります。
例えば、40度以上の高熱が長時間続いた場合などは、脳に後遺症が残りやすいということがわかっています。

ただ、原因をはっきりと特定することは非常に困難であることには変わりないようです。

発達障害だと見分ける方法はあるの?

「あれ?ちょっと他の子と違うな…」と感じる、いわゆる「気になる子」や、「この子はいつも行動が遅い!」と感じる、いわゆる「困る子」だからといって、直ちに発達障害であるとは言い切れません。
そこには、保育者、もしくは親御さんの主観があり、子ども自身の問題ではない場合もあるからなのです。

発達障害だと断定させるためには、医師の診断が必要になります。
一目でわかる場合もあれば、数々の検査を重ねて総合的に判断し、確定までに長期間かかる場合もあるのです。

素人目にも「絶対に発達障害だ!」とわかるポイントは多くはありません。
しかし、次のような、いくつかの特徴を持ち合わせているのは事実です。

感覚過敏・感覚鈍麻

視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感に対して特定の刺激が加わると激しい苦痛や不快感をあらわにすることを感覚過敏と言います。
極端に眩しがる、臭いに過剰に反応する、偏食するなどの言動がみられます。
治したい一心で、そこを無理矢理クリアさせようと試みると、激しく憤怒するということもあります。

また反対に、痛みに鈍感、音が聞き取りにくいなどの感覚鈍麻も放ってはおけません。
痛みや不快感など、身体的な異常を感じることが出来なければ、異変に気付かず、適切な処置ができないこともあるのです。

このような感覚は、個々人によって受け取り方が様々であるため、他人にはなかなか理解されにくいもの。例え親御さんであっても同じことです。
感覚過敏であるからといって必ずしも何らかの発達障害であることには直結しないものの、発達障害が確認されている人に多い傾向にあるとされています。

コミュニケーションを取るのが苦手

喜怒哀楽はある程度示すものの表情がないことや、話し言葉がない、言葉の遅れが見られます。
また、会話ができたとしても、一方的に言いたいことだけ言ってしまったり、質問に答えられない・説明が苦手・オウム返しするなどの特徴があります。

全く喋れない・主張できないというのも、喋りすぎる・主張しすぎるというのも、両極端の面があるのが特徴となっています。
昨今言われる、いわゆる「コミュ障」というものにあたりますが、結果として「空気の読めない子」というレッテルを貼られがちです。

こだわりが強い

一言で言ってしまえば「イレギュラーに大変弱い」ということになります。
急な予定変更や初めての場所に強い苦手意識を持つことや、日々のルーティン以外のことは全く受け付けないなども、これにあたります。

少し前に、中居正広さん主演の「ATARU」というドラマが大ヒットしたのが記憶に新しい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
主人公のアタル(チョコザイくん)は、サヴァン症候群という一種の発達障害を持っており、テレビドラマを午後3時に観ることや食事は特定のものしか摂らないなど、日常生活における様々なこだわりを見せていました。
この、強いこだわりが成し遂げられないと激しく動揺したり、無気力になったりと、生活そのものに支障をきたすほどであれば、発達障害が疑われます。

治療方法はあるの?

発達障害が激しく疑われる場合は、医療機関を受診しなければ確定させることはできません。
様々な検査や経過観察を行い、総合的に判断したうえで、その子ども自身に合った最適な治療方法を実践していくことになります。

しかし、医療機関を受診する前に、まずは専門機関での相談をおすすめします。
発達障害がまだまだ解明されていない点が多いため、医療機関とはいえ、発達障害を専門に扱える小児科や精神科はそう多くはないようです。

専門機関は、地域ごとによって異なるものの、「子育て支援センター」や「児童発達支援センター」などの名称で、公設・私設ともに存在します。
まずは、お住いの地方自治体の窓口を訪ねてみるのも良いでしょう。

また、保育園・幼稚園に通われている場合は、保育士や幼稚園教諭も発達相談のプロですので頼ることができます。
特に、公立の保育所は「地域の子育て相談窓口」という役割も果たすべき存在として設置されています。
たとえ発達障害に詳しい職員が不在であっても、然るべき窓口との連携は図っていますので、はじめの第一歩としては最適であると言えるでしょう。

発達障害は、様々な解釈をされるものでもあります。
それゆえ、様々な情報が交錯し、混乱を生んでいるとも言えるでしょう。

だからこそ、落ち着いて正しい認識を持って的確に対応していくことが求められます。
然るべき機関と連携を図ること。当然、保育士もそのお手伝いをします。
しかし、大切な我が子を守ってあげられるのは、結局は子ども自身と親御さんだけなのですよ。

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おはる

第2子を妊娠中に「ボケ防止に…」と始めた勉強で保育士資格を取得。 認可保育園・病児保育所での勤務を経て、現在は会社員兼2児の母。 専門は日本語・英語での文化交流だったはずが、いつしか保育や社会的養護が生活の中心に。 ウサギさんと関ジャニ∞をこよなく愛する三十路少女(o゚▽゚)ノ♪