会話が成り立たない!?オウム返しする子どもは発達障害なの?

シェアする

1歳も後半に差しかかると、どんどん言葉が出るという子どもも増えてくるもの。
こちらの言ったことを理解したかせずかはわからないまでも、真似してオウム返ししてくる姿は、何とも可愛らしいものです(*^_^*)
私も、1歳児クラスを担当したときに、ちょうどその過渡期を目の当たりにし、日々進化する子どもの言語能力には驚かされたものでした。

このオウム返し、言語習得の課程ではごくごく自然な行為なのです。
よく「学ぶ」の語源が「真似る」であるとも言われるように、学ぶことは人の真似から始まるのです。
つまり、周囲の人の話している言葉を真似して離すことで、子どもは言語と同時に社会性を身に付けることにもなります。

オウム返しは、3歳になる少し前辺りからだんだんと減っていきます。
3歳前後と言えば、そう、魔の「イヤイヤ期」がフルパワーで襲ってくる時期です!
この時期に、子どもに自我が芽生えると同時に知恵もだんだんとついて来るのです。
イヤイヤ期のピークが過ぎる頃になると、親御さんやお友達とも会話のキャッチボールが成立するようになってくるものです。

しかし、いつまで経ってもイヤイヤ期どころか、オウム返しが止まらないのにもまた困ってしまうもの。
「心配なオウム返し」とは、どのようなものなのでしょうか?

オウム返しにも種類がある!

オウム返しは、周囲の人が言ったことをそのまま繰り返してしまうことを指しますが、別名では「反響言語」や「エコラリア」とも呼ばれます。
極めて幼いころのオウム返しは、言語習得への意欲の表れであり、正常な成長を遂げようとしている証拠でもあります。
しかし、幼児期を過ぎようとしていてもまだオウム返しをやめない場合は、発達障害が疑われるのもまた事実です。

そのオウム返しにも、実は大きく分けて2つのものがあります。

即時エコラリア

「オウム返し」と聞いて、先に思い浮かぶものは、こちらではないでしょうか?

大人から話しかけられたり、質問されたときに、そのまま繰り返すことを言います。
例えば、「好きな食べ物は何?」と問われると、一言一句そのままに「好きな食べ物は何?」と繰り返してしまうのです。

この即時エコラリアにもいくつかの種類があり、発話順番型・叙述表現型・肯定表現型・要求表現型・焦点不定型・自己統制型・リハーサル型の7種類に分けることができます。

・発話順番型:相手との会話の順番を維持するためだけに行う。会話の意味は重要視していない。
・叙述表現型:物や行動を示すために行う。
・肯定表現型:話しかけられた言葉に対して肯定の意思を示すために行う。
・要求表現型:他者に「こうして欲しい!」との行動を要求するために行う。
・焦点不定型:小さくつぶやくような声で発せられる。特に明確な意味はない。
・自己統制型:行動の調整を行うために発せられる。身体の動きも伴う。
・リハーサル型:次の言葉を発するためのタイミングを図るために行う。

オウム返しとはいえ、即答しているので、一瞬、会話が成立しているかのようにも思われますが、実は、その中身にも様々な異なった意味合いが込められているのです。

遅延エコラリア

以前聞いた言葉や歌の文句などを時間が経過した後に、突然話し出すことを言います。

例えば、テレビCMのフレーズや、お店で流れていた歌、読んでもらった絵本の文章など。
それは、一言で言いきれてしまうものもあれば、長回しのセリフをとうとうと述べることもあるなど、子どもによって様々。
そのときに聞いたリズムやアクセントをそのままで話すこともあれば、オリジナリティあふれるリズム感で話すこともあります。

好きなことを繰り返すこともあれば、親御さんなど周りの大人によく言われがちな言葉「早くしなさい」や「それは違うでしょ!」などを全く関係のない場面で繰り返し言ってしまうこともあります。

よく言われる「空気が読めない」を醸し出しているとも言われがちなものです。

オウム返しをする子は発達障害なの?

前述のとおり、オウム返しは通常、正常な発達過程の1つであり、オウム返しが止まらないからと言って直ちに自閉症やアスペルガーなどを抱えているということにはなりません。

ただ、健常の子どもがオウム返しをするときは、「言われた言葉がわからないとき」だという共通項が見られます。
わからないからと黙ってしまう子どもも居るのですが、「?」という表情を受べながらも、その言葉をそのままオウム返しする子どもが多いのです。
この場合、言い換えると、別の言葉で返答があることがほとんどであるため、会話の不自然な流れとはなりません。

一方、発達障害の子どものオウム返しにはいくつかの特徴が見られます。
それは、言葉の意味がわかっていてもいなくても、そのまま返してしまうのです。
本当に、鳥のオウムと喋っているような、そんな感覚でしょうか。

例えば、「おやつ食べる?」と聞かれて、「おやつ食べる?」と子どもが返して来たとしましょう。
しかし、子どもは手を洗い始めたり、席に就いたりと、「おやつを食べるモード」に入っています。
この場合、オウム返しはしているものの、「おやつ食べる?」の言葉の意味は理解しているということになります。
ただ、返答の仕方がわからない。それだけなのです。

これらも、多くの場合、成長とともに解消していく傾向にあります。
時間はかかるかも知れませんが、ゆっくりと向き合っていくのが良いでしょう。

オウム返しは、こう返そう!

大人が少し気を付けることで、子どもの語彙能力とコミュニケーション能力を大幅に伸ばすことも可能です。
私が保育現場で身につけた、ちょっとしたポイントをご紹介いたします。

返答の見本を見せる

質問の語尾に、選択肢をつけると答えやすくなります。
例えば、「どっち食べる?ミカン?リンゴ?」などと言うと、答えを出しやすくなります。

オウム返しをする子どもの特徴として、最後の言葉を繰り返す傾向があるので、この場合は「リンゴ」と答えることが最初は多いかも知れません。
しかし、本当に食べたいものを態度で意思表示できるようになってくるので、この場合で「リンゴ」に難色を示した場合は「あぁ、ミカンが欲しかったんだね」と言いながらミカンを渡すと、次回以降「ミカン」と答えられることが期待できます。

言い換える・ビジュアルで示す

わかりそうな言葉で繰り返して言ってみたり、聞き直してみると良いでしょう。
言葉が難しい場合は、絵や写真など、目で見てわかるものを指さしてもらうのも効果的です。

また、本当にわからない場合には「わかりません」「知りません」「教えてください」などの方法で相手に意思表示できることも教えてあげると良いでしょう。
これによって、相手との距離を縮めることも十分に可能です。

共感するのみに留める

特に、遅延エコラリアの子どもは、特定の気に入った言葉を発し続ける言動が見られます。
相手にし過ぎると、他人に構って欲しい時に発するようになってしまい、ますますオウム返しが激しくなると言ったことも大いにあり得ます。
適度に放っておき、そっとしておくことも必要なのです。

また、その「そっとしておく」を「無視された」と捉え、癇癪を起してしまう子どもの場合は、特定の言葉を発して喜んでいる子どもの姿に「よかったね~」と教官の態度を取ることも必要となってきます。

オウム返ししてもらうように仕向ける

適切な言葉が出ずにいる場合は、親御さんや周囲の大人が「○○と言って」と、言って欲しい言葉を先に示しておくのも良いでしょう。

例えば、遊んで欲しい一心で、特定の言葉を繰り返す子どもには、目をじっと見つめて「遊んで」と見本を先に見せることで、オウム返ししてもらうのです。
その結果、遊んで欲しい時には「遊んで」と言えば良い!ということがわかるようになるのです。

言語習得は、1日で達成できるものではありません。
親御さんや周囲の大人、ひいては子ども同士でも、環境や関わり方ひとつで大きく左右されるものです。
ゆっくり取り組みたいものですね。

The following two tabs change content below.

おはる

第2子を妊娠中に「ボケ防止に…」と始めた勉強で保育士資格を取得。 認可保育園・病児保育所での勤務を経て、現在は会社員兼2児の母。 専門は日本語・英語での文化交流だったはずが、いつしか保育や社会的養護が生活の中心に。 ウサギさんと関ジャニ∞をこよなく愛する三十路少女(o゚▽゚)ノ♪