小学校高学年から中学生にかけての成長期には身長が年間で10~20cmほど伸びることもあり、「子どもが、あっという間に自分の背を追い抜いて行った( ゚Д゚)」というのも、よくある話です。
しかし、一方で、成長期にも関わらずなかなか伸びないことや、周囲の子どもにどんどん追い抜かされる様子を見ると、焦ってしまいますよね。
遺伝?食べ物?それとも病気?…など、様々な原因を考えてしまい、悲観的になってしまう親御さんも少なくありません。
その不安を少しでも取り除くために、まずは肩の力を抜いてから、大切な子どもの現状と、できることを考えていきましょう。
身長が伸びない原因は?
適切な成長が図れていれば、放っておいても伸びていくはずの身長。
それが伸びないと言うことは、何かしらの大きな原因が隠れていると考えられます。
遺伝
「身長が低い」と聞くと、真っ先に「親のせいだ…!」と思ってしまう方が大半ではないでしょうか。
両親の背が低いと、どうしても低身長になると思われがちです。
確かに、人は父母の遺伝子を半分ずつ受け継いで成り立っていると言われているので、この見方は正しいのでしょう。
しかし、遺伝が身長に与える影響は25%程度とされています。
現に、トップモデルとして活躍した経験のある俳優の阿部寛さんは、190cmを超える長身でありながら、ご両親は極めて平均的な身長であるとのことです。
必ずしも、すべての事柄が親から子へ遺伝するわけではないようです。
生活環境
実は、低身長の大半の原因はこれにあると言っても過言ではありません。
生活における衣・食・住のすべてが、「伸びない」をもたらしている原因と考えられます。
睡眠や運動が不足していれば、成長ホルモンの分泌が少なくなり、その分、成長するチャンスも奪われてしまっていることになります。
睡眠は、午後10時から翌2時までのゴールデンタイムを含む7~10時間をしっかり取りましょう。
加えて、日々の運動も、特定の競技などを始める必要はありませんが、1日1時間程度は身体を動かす機会が欲しいものです。
また、身体に必要な栄養を摂る手段である食事の内容が大変重要です。
「栄養のバランスのとれたものを…!」と言うのは簡単ですが、カルシウムとたんぱく質に特に注目すると良いでしょう。
強い骨を伸ばすことによって、身長にも作用してくるものですよ。
ストレス
「子どもにストレス?」と、なかなか考えにくい方もいらっしゃることでしょう。
確かに、社会生活にもまれる大人からすれば、子どもは非常にノンストレスで過ごしているようにも思われます。
しかし、幼ければ幼いほど、ちょっとした衝撃や音などでも大きなストレスを感じてしまうのです。
何より、どの子どもも、一番にストレスを感じる瞬間は「叱られている」ときです。
実際に、幼少期に両親に叱られて育った子どもは、褒められて育った子どもに比べて学力・身長ともに低くなる傾向があるとのデータもあるほど。
場に相応しくない言動や、身に危険が及ぶ時などは叱ることも必要ですが、叱る内容が「親御さんの主観になっていないか?」ということに気を付けながら叱っていくのが良さそうです。
本当に病気である場合は…?
原因に思い当たるものがなく、本当に病気であったという場合も考えられます。
身長の発育が著しく遅れていたり、また小さいまま成長が止まってしまった状態を総称して小人症といいます。
その小人症にも、いくつかの種類があります。
成長ホルモン分泌不全低身長
本来は、脳下垂体から分泌される成長ホルモンの作用によって身長が伸びますが、その成長ホルモンが何らかの原因で分泌されず、身長が伸びないという場合です。
先天的に何らかの障害がある場合もあれば、幼少時に頭部に強い衝撃を受けたり、高熱が続くなどで脳に悪影響を及ぼすことで成長ホルモンが分泌されなくなることもあります。
世界的サッカープレイヤーであるリオネル・メッシ選手もこの病気だったとされていますが、足りないホルモンを補うことで、克服しています。
このように、後天的に十分治療が行えるものでもあるのです。
染色体異常
ターナー症候群やプラダーウィリー症候群と呼ばれるものがこれに当たります。
いずれも染色体に欠損や異常があるがゆえに、低身長になる場合があります。
ターナー症候群は女児にのみ見られるもので、プラダーウィリー症候群は男女問わず起こる可能性があり、いずれも数千人に1人の割合で発症するようです。
子宮内発育不全
SGA性低身長症とも呼ばれるものです。
SGAとは「Small for Gestational Age」の略で、出生時に在胎週数の平均よりも小さく生まれた状態を指します。
小さく生まれても概ね3歳までには標準の成長に追いつきますが、身長の伸びが悪く平均よりも低い状態が続くこともあります。
身長を伸ばすポイント!
子どもの将来を考えて、できるだけ身長を伸ばしてあげたい!というのは、多くの親御さんが考えることでしょう。
病気である可能性が少しでも考えられるのであれば、一刻も早く小児科を受診しましょう。
最寄りのクリニックでも、必要に応じてより高次の医療機関との連携を図ってくれますので、心配要りません。
また、遺伝は変えることができませんが、それを凌駕する方法はいくつか考えられます。
姿勢を正そう
毎日猫背で過ごしているということはありませんか?
背が丸いのが癖になると、伸びる力に歯止めがかかってしまいます。
非常にもったいないですよね!
少し胸を張るイメージで肩を開いてみましょう。
立腰教育にて取り入れられている「骨盤を立てる」ということで姿勢を良くし、身長を伸ばしたり、ひいては体調を整えて集中力もつくなど、嬉しい効果も盛りだくさんです。
必要な栄養を摂って骨を伸ばそう!
姿勢を整えることができれば、身体の根幹を成す骨を伸ばすことができるようになります。
そのためには、カルシウムとたんぱく質が、大きなポイントとなります。
骨はカルシウムでできており、それを定着させるのにはコラーゲンやMBPなどのたんぱく質が必要となるのです。
ただ、カルシウムと言えば乳製品!たんぱく質と言えば肉・魚!と思われがちですが、そればかり摂っているのもまた問題です。
緑黄色野菜や果物などのビタミンとミネラル、ごはんやパンなどのエネルギー源もしっかりと摂って行きましょう。
毎日の食事から摂れるのがベストですが、難しい場合は、サプリメントやプロテインを用いるという方法もあります。
成長期の子ども向けに特化した製品も多くありますので、それらが子どもの成長の心強い味方となることでしょう。
おはる
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